昇段レポート

十勝支部 崎山 柱

(2007年3月18日初段取得)












 この度は、昇段審査の機会を頂き、高橋先生をはじめ、極真会館北海道高橋道場の先生方、各支部の指導員、道場生の皆様方には大変お世話になりました。審査当日は体力、技術、そして自分の弱点である精神面の弱さを改めて思い知らされました。今後の課題を再確認出来た点からも、本当に貴重な体験だったのだなと感じております。
 極真会館に入門するきっかけは一つの疑問からだった様に思います。大学時代に他流派の空手部に在籍していた私は、5年をかけ黒帯になる事が出来ました。当時、私が在籍していた空手には試合というものが無く、1年に1回の昇段、昇級審査だけがあるだけでした。何となく稽古をし、経過した時間の力だけで黒帯になった様に思っていました。黒帯をもらった嬉しさと言うのではなく「大学時代に空手をやっていたけど本当に強くなれたのだろうか?」という疑問が晴れる事はありませんでした。
 十勝に就職が決まり、極真空手の十勝支部の噂は聞いていました。空手の経験のある人間ならば必ず聞いた事のある名前です。正直迷いました。ケンカ空手の印象が強かったからです。「でも一大会だけでも出てみて、自分がどの程度のものか知りたい」と思い入門を決意しました。入門し1ヶ月後に旭川で新人戦の大会がありました。結果は今から思い出しても、笑ってしまうほどのボロ負けでした。全身が痛くて、足を引きずりながらやっとの思いで車に乗り込み十勝まで運転して帰る途中「やっぱり自分は弱かったんだな」と思いました。「でも、ここまで弱い事が判ったんだから、極真空手をやり抜いてもっと鍛え直すぞ!」と言う新たな目標を持つ事が出来ました。
 しかしながら、自分自身の弱さを思い知らされ、苦痛に耐えて稽古をして来たと思っていても、なかなか結果を出せず大会や審査の度に悔しい思いを続けていれば、たまに嫌になる時はあるものです。ただ私がこうして続けて来れたのは師匠である高橋先生の指導によるものです。「お前が強くなる事を諦めても、俺はお前を強くする事を諦めんぞ!」は今でも心に響いている言葉であり、私が極真空手を信じ続けている一つの原動力です。「先生から学んだ全てを出し切り、選手としての結果を出し、先生に恩返しをする」が何を差し置いても私が今やらなければならない事です。
 学生の時に締めていた黒帯と違い、重圧や苦痛に耐え挫折を乗り越え頂いた黒帯はとても嬉しいです。
 私は今年で33歳になるのですが、極真空手に入る前、違う黒帯を締めていた私に「24歳の君より32歳の今の僕の方が圧倒的に強いよ!」と胸を張って言えそうです。
 自分の弱さを教えてくれ同時に自分の鍛え方も教えてくれ、日常生活だけでは知りえない発見や感動を与えてくれる極真会館に大いに感謝しております。黒帯を頂いた嬉しさだけで終わる事無く、黒帯としての責任を果たし、極真会館北海道高橋道場の発展の為に出来うる限りの尽力をいたします。
 今後ともご指導ご鞭撻の程宜しくお願いいたします。
 押忍



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