昇段レポート
紋 別 支 部
伊 藤 重 孝 参段

(1978年11月25日入門・50歳)
 はじめに、今回昇段審査を受審する機会を与えて下さいました、高橋師範、石川先生に感謝いたします。

 審査を受けると決め、一年前から稽古を積んできましたが不安なところが多く、なにより組手の人数が紋別では少ないので、スタミナ稽古、サンドバックでどこまで30人組手に耐える体作りが出来るかが問題でした。移動稽古、型の細かなところなどは一人では点検しづらいので、合宿で注意を受けたところに重点をおいて稽古をしました。

行きは初めての飛行機で紋別から羽田へ、そこから新幹線で静岡へ行き一泊。
 審査当日は小雨の中体育館へ。挨拶をして回っているうちに緊張している自分に気が付き、緊張をほぐそうと体を伸ばしたりするのですが、なかなかリラックスはできません。そして審査会が始まり、名前を呼ばれ並ぶと、ちょうど大石主席師範の目の前でますます地に足が着かなくなるばかり。

 どうなることかと思いましたが、基本が始まると身体が温まり、筋肉もほぐれてきました。身体がほぐれてくると気持ちにも余裕が生まれ、手技足技と進むうちに審査を受けているというよりは、稽古をつけてもらっているような感じがして楽しくなってきました。

 しかし、移動・型と進んでいくと床が畳ということもあって、足が引っかかって苦戦しました。三戦立ち移動では稽古していない動作についていくだけで精一杯。続いて型ではネコ足立ちの足巾を指摘され安三はギクシャク、撃砕大、撃砕小、十八は納得いかないままで、征遠鎮でなんとか気を落ち着け、臥龍。自分ではもっと完璧に出来るはずだったのですが、もっと精進しなければと気持ちをあらたに体力審査に突入しました。

 しかし、ここでも回数はこなしたものの、自分で思うより体は動かず歯痒い思いをしました。いよいよ組手になり、自分の得意とする前蹴りを出そうとしたのですが、さすがに皆圧力があり、うまく止められませんでした。そこで、突きから下段回し蹴り、膝を出し応戦するのですが、相手を手で掴んだり、前に出てくるのを踏ん張って止めようと足が止まってしまい、動きのない組手になってしまいました。頭では「打ち合え、上からの突きから下段回し蹴り、受けて膝蹴りを返す」とイメージしながら、まず一人まず一人と戦いました。

 なんとか自分は30人組手も終わりましたが、まだ高橋師範が20人残っている。応援をしながら、自分も高橋師範の年齢でここまで動けるだろうか、いや、動けなければいけないと戦う姿を目に焼き付けました。

 全日程を終え、「やり終えた」という気持ちと、「もっとしっかりやりたかった」と悔いの残る部分がありましたが、とにかく終わったというのが本音でした。

 大石主席師範、胸をかして頂いた大石道場の皆さん、応援をして頂いた皆さん、ありがとうございました。

 これからも今回の審査を糧にして日々精進します。

押忍
(2010年3月7日連合会公認審査会において参段取得)

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