大会レポート
旭 川 支 部
原 一 浩 弐段


2010年4月18日
第1回東日本極真空手道選手権大会

平成22年4月18日に行われた第1回東日本極真空手道選手権大会並びに第3回東日本極真空手道型選手権大会に審判として参加致しました。
 900人近くの選手が参加し、10面の試合場で一斉に試合が行われる様は正に圧巻です。1面だけでも北海道で行われる試合数より多く試合が行われています。
 試合結果や高橋道場の選手の事は他の方々がレポートすると思いますので、今回は自分が経験した事と見た事を中心にレポート致します。
 自分は小6男子の審判を仰せつかりました。小6男子はクラスの中では一番のエントリーで2つに別れて行われていました。自分はBの山を担当です。それだけでも89試合がありました。そのうちの半分を担当しました。
 小学中学年から体格の差が出始めて、小学6年生では、その差が一番出ているのではないでしょうか?身長で20cm、体重では30kg以上の差があるのではないかと言う組み合わせもありました。少年部の大会でもウェイト制で行うべきではないかという声もありますが(実際としてはある意味賛成です。)、小さい子が大きな子に歯を食いしばって向かう姿は感動します。小良く大を制す!武道・武術としては醍醐味だと思います。小さい子は戦い方を工夫していました。ある子はヒット&ウェイで距離を取って、ステップワークで大きい子を翻弄しました。また、ある子は懐に飛び込んで同じ所に突きを執拗に入れて、技ありを取りました。審判をしながら胸が熱くなる試合があったり、感心する試合があったりで大きなモノを得た大会でした。子供たちに教えられました。
 その姿に回りの応援も熱くなります。些か、度を超した応援もありました。やはり武道の大会ですから節度ある応援が求められます。
 組手の技術的なものとしては、少年部ではスピードとキレが勝利を引き込むような気がします。高橋道場の少年部にもスピードを付けて、中央の試合に負けないようなレベルになって欲しいです。そのために、どのような稽古が必要なのか?は指導者の責任ですね!
 型試合は中学生の部に駿治が出場した事から、中学生の部と型世界チャンピオンの岩崎奈試q選手の型を生で見ました。
 型試合の第1印象は・・・型試合のために型になりつつあるのではないか?でした。型も組手もグッツの一つです。型や組手を稽古するのではなく、型や組手で空手を稽古するのだと思います。そこを履き違えると空手が変わってしまうのではないでしょうか?練習風景を見ていて、中学生が団体で型を行っていました。突きの型です。3人とも三戦立ちの後ろ足が外を向いていました。これではいくら上体が上手く動いていても型としては成立していません。
 そう憂えていた中で、狩野先生と岩崎選手の型は違っていました。岩崎選手は型の世界チャンプで観空ガールとして海外でも有名な選手です。極真の型を全空連の型のレベルまで引き上げたと言わしめた選手です。今回、生で拝見しましたが、キレは全盛期には及ばない感はありましたが、迫力というか気迫は他の選手とは全然違っていました。その岩崎選手を抑えて、優勝したのは大石道場の狩野先生でした。これが極真の型だと見ていて感激しました。正に戦っている型でした。狩野先生は昨年、組手の部に参加しておりました。大会終了後には来年は組手にも出たいと仰っていました。組手と型は空手にはどちらも欠かせないものです。それを実践しておられる姿に敬服致しました。このような型を目指せば型試合のための型にならずに済むのではないかと勝手に思っておりました。
 今回は3・4位決定戦や決勝が一部を除いて、4面で行われましたので高橋道場の全選手を応援出来ませんでしたが、大きな大会、初参戦の山田くんや長瀬くんはそれぞれ、決勝、準決勝まで進みました。緊張も半端ではなかったと思いますが、しっかりと戦い、後ろに続く高橋道場の選手たちの道しるべになったと思います。女子は福島さんが二連覇、森谷さんが3位に入りました。一般上級の3・4位決定戦は北海道同士の戦いになり、主審は高橋師範でした。出来れば決勝で見たい試合でした。駿治の型試合も師範が主審でした。師範曰く、「難しい判定だった。よくあのレベルまで上げてきたな!」と言って下さいました。甲乙付けがたい内容であれば、自分の所の道場生に旗は上げられません。しかし、少しずつではありますが、型のレベルも上がって来ているのではないかと思いました。
 今回の大会は当初の予定時間より早く終わりました。大石道場の方々の運営には感服するばかりです。何ヶ月も前から準備をして、何度もシミュレーションをおこなった事でしょう?お疲れ様でした。
 いつか、北海道でも大きな規模の大会を出来れば良いなぁと思いました。そのためには道場生が増え、全体のレベル、空手の技術だけでなく、人間性のレベルも上がらなくてはいけないと思いました。
 いつも師範や石川先生に同行して色々な勉強をさせて頂いています。北海道だけに居ては分からない事ばかりです。今は吸収してばかりですが、きちんと道場に還元して行きたいと思います。みなさんも是非、選手として、審判として、応援団として参加しては如何でしょうか?

押忍

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