大会レポート
旭 川 支 部
原 一 浩 弐段


2010年10月3日
第42回全日本空手道選手権大会

10月3日に神奈川県川崎市で開催された第42回全日本空手道選手権大会に行って来ました。今回は、北海道高橋道場からは選手は出ていないですが、師範と石川先生、沼田先生が審判をされます。自分は、前日に行われた審判講習会を受講しました。
 全体的な講評としては、体育館は古い感じで、参加選手も少なかったですが、試合自体はハイレベルだと思いました。通常であれば、11月に開催ですから、それに合わせて、調整していた選手もいたはずです。日程については、しっかりとした運営が必要ではないかと感じました。

 10月2日、13:35旭川空港発のエアドウで羽田空港へ、到着後は電車で川崎市に入りました。すぐに川崎体育館に向かい、全日本大会の審判のための講習会に参加しました。前回のウェイト制での審判の問題点や反則の取り方等をすり合わせしていました。その後、ライセンス取得のための講習会が行われ、師範を始めとする北海道高橋道場の4名と兵庫の西岡先生の計5名が受講しました。自分以外は国際の取得が目的です。自分は国内です。
 三重の橋本先生の主導のもと、副審の動作の確認を最初に行い、次の主審の動作の確認では、橋本先生が言ったシチュエーションに沿った動作を要求されました。また、判定の際の相殺法をマスターするべく、「白注意1、試合内容は互角」の場合のジャッジはどうなるか?という実践的な事も行いました。
 動作の確認では自分が最初にするので、理事長を始めとする幹部の方が見守る中で緊張しました。
 最後には筆記試験がありました。筆記試験があるとは思わず、勉強していなかったので細かい所が自信はありませんでした。結果はどうなっているでしょう?
 2時間近く、講習会はあったでしょうか?旗の上げ方や審判の出入りの仕方など、変わった所もあったので疲れましたが、有意義な時間となりました。


 10月3日、大会当日です。

 会場の設営を午前中に行います。大石道場の柴田自由先生が陣頭指揮を執ります。的確な指示に感心しました。段取り良く、人を振り分け、次々と設営を行います。
 全面にシートを敷き、継ぎ目にテープを張り、試合場の足場を運び、板を敷き、その間に女子や少年部は椅子を並べます。設営を手伝う人たちも手際良く動いている感じです。決して、慣れている訳ではないと思いますが、想定していた時間より早く終わったように思います。
 午後から、いよいよ大会が始まります。
 兵庫の米山先生の開会太鼓に引き続き、選手が入場してきます。スペインやオランダ、韓国の選手も混じっています。
 人数が33名と少ないです。日本の主要選手もいませんでした。島尻選手や寺浦選手は怪我のため、欠場との事です。些か寂しい感じがします。
 試合が始まりますと、内容的には僅差の物が多く、良い試合が多かったです。特にスペインの選手はパワーもスピードもあり、驚異に感じました。韓国の選手はテコンドーの経験があるのか、蹴りを主体にした戦い方が目立ちました。日本の選手も果敢に戦いましたが、ベスト4に残ったのは纐纈選手ただ一人でした。このままでは、全日本チャンピオンが外国人になってしまします。一大事です!
 ベスト4に残った外国人選手はジョナサン・ティネオ選手、リチャード・ティネオ選手、ヘルトヤン・ペレス選手で、パンフレットにはアルファベットで書かれていますから、誰がジョナサン?ティネオって家族?という具合に分からなくなってしまいます。
 準決勝では、まず外国人同士の対決になりました。中段回し蹴りの合わせ一本でジョナサン・ティネオ選手が勝ちました。纐纈選手も負けじと中段突きを決めて、一本勝ちです。
 決勝戦、纐纈選手に祈る気持ちでした。何とか死守して欲しい!全日本チャンピオンを外国人には渡せないという思いは纐纈選手が一番、強かったと思います。会場の日本人の思いを一身に受けて、戦います。本戦は引き分け、延長戦で旗が纐纈選手に上がりました!ありがとう!と言葉に出てしまいました。ウルっと来たのも事実です。相当なプレッシャーだったと思いますが、見事な勝利でした。

 今後も、特にスペインの選手は全日本空手道選手権大会に出て来ると思います。日本人がチャンピオンでいられるか・・・いなければなりません。大山総裁が残された偉大な大会ですから・・・高橋道場も優秀な選手を供給出来るように頑張らなければと思います。自分が出るわけにはいかないですが、微力ながら協力出来るように頑張りたいです。寺浦選手がそうだったように、今の少年部から全日本に出場するような選手を育てたいです。

 閉会式後は、会場の撤去です。設営とは逆に行います。シートを巻き上げなければならず、手動の巻き上げ機で行います。師範を始めとした北海道高橋道場班は、息の合った、動きで会場の半分は巻き上げました。ちなみに巻き上げ機は3基有り、他の2基で半分を行っていましたので、いかに息の合った作業だったか分かると思います。
 会場撤去も想定の時間より早く終わったと思います。最後に三重の橋本先生の音頭で柴田自由先生に対して、労いの拍手を行い、会場から撤収しました。

 北海道高橋道場の面々は、恒例の反省会を行い、床につきました。


 10月4日、いつも全日本の後は、セミナーが行われるので、帰りの飛行機を夕方にしていましたが、今回はセミナーがなかったので、4人でスカイツリーを見て、秋葉原を散策して、帰って来ました。たまには、観光のような事も良いかな?と思いました。

 スカイツリーでは地元の江戸っ子のガイドさんが師範と石川先生に懇切丁寧な説明をしていました。毎日、見ているようで、専門家より詳しくなっているのではないでしょうか?自分は、東日本大会の後に見ているのですが、雲より高くなっていて、日本の土木技術に感心しました。

 今回は選手がいなく、審判も無かったので、ゆっくりと試合を見る事が出来ましたが、盛り上がりには少し欠けたような気がします。11月には名古屋でサムライ杯がありますので、選手のみなさん、頑張って下さい。自分も応援に行きます!

押忍

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