審査会レポート


連合会公認審査会
2011年3月6日(日)
静岡市・南部体育館



旭 川 支 部
石 川 秀 樹 四段
 帯広空港で大石師範をお見送りした翌3月5日(土)、今度は私が静岡で行われる、連合会公認審査会を受審する、市川弐段、原弐段の介添えとして旅立つこととなりました。

 通常、空港へは30分前には到着をしているのですが、途中、パトカーの先導を受けてしまい定刻10分前の到着となってしまい、原先生を待たしてしまうこととなってしまいましたが、出発が遅れていたため、搭乗口で合流することが出来ました。

 羽田空港に到着後も、停止位置がずれたため搭乗橋が装着できず再度、移動するというアクシデントで予定時刻より40分ほど遅れて高橋師範、市川先生、市川広陽君と合流することとなり、品川からの新幹線も「ひかり」ではなく「こだま」で静岡に向かったため午後7時過ぎにホテルに到着となりました。

 6日(日)朝から快晴で外に出ても心地良い天候で午前10時30分、南部体育館に出発、到着後控えの剣道場にて軽めのアップと型などの確認に時間を掛けました。

 外の天気とは違い、剣道場内は些か寒く感じられましたが、私の経験では審査を行う上で体温の上昇を考えれば、ほど良い室温ではなかったかと思います。

 私も大石道場で共に審査を受けた方々や連合会各道場責任者の皆さんとの挨拶などであっという間に開始の時間となりました。

 今回の審査会には北海道、東京都、静岡県、山梨県、岐阜県各地から四段受審の大石道場 橘参段、参段を市川弐段、原弐段、ほかに弐段を6名、初段を8名の計17名が公認審査会に臨みました。

 会場の柔道場には組手の対戦者や見学者が大勢押し掛け会場内に入りきらず、入口の外や、階段の上などからも見学をするもので溢れていました。

 午後1時、受審者が整列、小井理事長、高橋師範、大石師範の挨拶後、準備運動から順に審査が開始されました。
 
 途中、大石師範から受審者に場の空気を読み取り号令に合わせて準備運動を行うようにとの指示が出されました。


 以下、基本稽古、移動稽古、型、補強が行われ、息吹の大切さ、型では周りの人と合わせるように、補強では浅めのスクワットに注意があり、中途半端ではなくフルスクワットでの指示がありました。

 最後に連続組手が午後3時30分過ぎより行われ、最初に茶帯の高校生3名が10人組手に挑戦、続いて茶帯一般部5名、初段壮年部4名、初段一般部2名が20人組手に、最後に橘参段が40人、市川弐段、原弐段が連続30人組手に臨みました。

 対戦者には大石道場の有段者・茶帯のほか、ノルウェーのビヨン先生、沖縄県大会に出場する弟子のアーネストさん、埼玉県橋本道場代表の橋本先生、岐阜県太田道場など静岡県内外から多数来られていました。

 最初に行った高校生は大会などでも入賞常連の私も顔見知りの茶帯で期待をしてみていましたが、対戦者も同年代の選手クラスばかりで容赦のない攻撃に、後半には体力の衰えがあり攻め込まれながらも10人を完遂しました。

 茶帯の一般部5名は皆それなりに10人組手を完遂したと思います。
 
 初段壮年部は51歳から最高齢64歳までの4名が壮年クラスの対戦者との20人組手を行いました。


 初段一般部は36歳の長谷川さんと40歳太田さんでしたが明暗を分けたと思います。

 私の見る限り長谷川さんは身長170p、体重70sと小柄な部類に入りと思いますが、基本稽古から際立っており、準備のほどがうかがわれました。

 組手でも最後までスピードが落ちることもなく、選手クラスの対戦者とも互角に戦っていました。

 もう一人の太田さんは173p、80sの体格ながら、序盤に左足が効かされ攻撃が出せずじまいで後半に数度下段で倒されていました。

 最後の組は橘参段、市川弐段、原弐段の連続組手です。

 原弐段は1週間前にギックラ腰になってしまい不安を抱えていましたが、フルスクワットでまたもや腰を痛めたようでした。

 市川弐段も足の小指骨折で臨んだ審査です。昨年も受審予定でしたが、転勤とぶつかり満を持しての挑戦でした。

 共に不安はあったと思いましたが、その不安を払拭するかのような素晴らしい組手です。対戦者も壮年部だけではなく一般部の対戦者も入り混じっていましたが素早い攻撃にも反応していましたし、市川弐段は足払いや上段への蹴りなどが、市川弐段は逆突きが効果的に決まっていたように感じました。

 対戦者も初段から四段の高段者までの有段者で侮ることが出来ない相手ばかりで、20人以降は苦しさも顔に出始めていましたが、倒れることなく30人組手を完遂しました。

 圧巻は大石道場橘参段の組手です。40歳の年齢ながらも大石師範が指名する10代、20代の選手クラスと戦い倒れることなく、最後に橋本岳雄弐段との組手で40人組手を完遂し、午後6時30分無事審査会が終了しました。

 審査は自分自身がどれだけ稽古を行ってきたかを見せる場であると共に、審査員、対戦者、見学者に見られています。
 逃げることも、甘えることも出来ない、真剣勝負の場なのです。
 手抜きで昇段しても誰もがわかっていることですし、本人が一番辛い思いをするはずです。だからこそ、厳しい審査にも耐えるのだと思うのです。

 昇段審査終了後は大石師範と記念撮影や食事会に招かれ、市川弐段、原弐段の健闘を称えて頂きましたし、大石師範が沼津に帰られた後も、海野師範、狩野先生と場所を変え語り合うことが出来、普段なかなか話す機会の無いお二人と空手談義で楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

 7日(月)は前日の天気が一転して朝から雨で、新幹線が横浜を通過する頃には車窓から雪が降っているのが見えました。

 羽田空港到着後、無事、帰路に着くことが出来ました。

 今回の審査会を振り返り、受審者、見学者の誰もが極真空手の伝承の厳しさ、継承者としての責任の重さを認識したと思います。
押忍

△戻る