大会レポート


第1回全日本極真空手道型選手権大会
第2回東日本極真空手道選手権大会
2011年4月16〜17日(土〜日)
静岡市・グランシップ



旭 川 支 部
原 一 浩 参段

 2011.4.16〜17に行われました、第1回全日本極真空手道型選手権大会および第2回東日本極真空手道選手権大会に審判員として参加致しました。審判を通して感じた事を記しておきたいと思います。勝敗の結果については、記しておりません。

 型編
 第1回の型の全日本大会という事で、個人だけでなく、団体戦もあるとの事でどうなるか見当もつかない状況で会場に急ぎました。自分は、仕事と稽古の関係で16日早朝の千歳空港発の便で静岡に向かいました。

 開会式が13時からとの事で、飛行機、電車、新幹線の接続が上手くいって開場に間に合うくらいに着きました。
 会場には道衣に喪章を付けた人たちもおりました。青森の人たちでした。福島の門馬道場も多数の選手が来ていました。門馬師範に挨拶した時に「昇段審査、大変でしたね!」と声を掛けて頂きましたが、自分は、被災されているのに他の方々の事を気にされている姿に胸が詰まって返す言葉がありませんでした。
 自分はBコート担当でした。型は、力強さ(下半身の安定から来るもの)、軸のブレ、立ち方、型の3要素等を見て行きます。極真の型ですから綺麗だけではいけないのです。それに団体戦では3人の呼吸が合っているかシンクロ性が追加されます。
 第2回戦までは団体戦・個人戦ともに平安そのUが指定型になっています。100回を超えるほどの平安そのUを見た事になります。

 平安の型の神髄と言われる平安そのUは難しいと思います。各道場で若干の動きの違いがありました。極真の型ですから理合いは共通だと思えば、解釈が異なるのでしょう。
 気になる点は、第2動作と第4動作の騎馬立ちが他の立ち方より低すぎる選手がいました。立ち方は低ければ良いと言うものではありませんし、前屈立ち、後屈立ち、猫足立ち、騎馬立ち、四股立ちの腰の位置は同じです。
 団体戦、どのチームも相当な稽古量をこなしているのが分かります。1人稽古に加え、団体での稽古を重ねなければ、呼吸は合って来ません。
 自分は、型試合自体に疑問を持っていましたし、その中で団体戦の意義を見出すのに時間が掛かりました。呼吸・・・武術や武道の中では呼吸を読む事は生死を分けると言っても過言ではありません。団体戦では他の人の動きを見て合わせるのではなく、気配を察して動く事が重要になって来ます。これが実戦の呼吸を読む事につながるのではないでしょうか?
 自分の担当のコートや審判が終わった後に見て回ったコートでは、これはヘタだなぁと思った選手はいませんでした。全体的な平均レベルは北海道大会優勝者より上であろうと思います。
 型は付け焼き刃では、すぐに化けの皮が剥がれてしまいます。福島門馬道場の選手は、被災されてから満足な稽古は出来ていないと思います。それなのに上位に入ってくるという事はそれまでの日頃の稽古が如何に大切に行われていたかを物語るものだと思います。
 北海道の選手も来年の大会からは参加すると思いますが、どのようにレベルを上げるか模索しなければならないと思っています。

 組手編
 自分はCコートの担当で、主に女子と壮年の試合を行いました。
 全体的に押しや掴みが少なく、クリーンな試合運びをする選手が多かったと思います。東日本大会では中学生以下のクラスでは、直線的な上段への蹴りは禁止されています。自分の担当では中学女子しか該当しませんでしたが、その反則はなかったと記憶しています。
 女子の試合では男子顔負けの試合が多数ありました。中学女子ではスピードだけでなく、パワーも相当なものでした。
 一般女子やシニア女子では、どちらかと言えば、帯に関係なく、精神的に強い(?)人が勝っているように思いました。僅差の試合が多かったです。

 年齢が上に行くにつれてスピードよりパワー重視になり、最後にはスタミナがある方が勝つというのがセオリーのようですが、中には体格的に劣る選手がスピードを活かして大きな選手に勝つ場合もありました。
 東日本大会では他に大会に比べ、壮年、マスターズ(他にヤングマスターズ、グランドマスターズがあります。)の層が厚く、レベルも高いと感じました。
 審判が終わった後に会場を回ってみると、型の上位入賞者が組手でも勝ち残っていました。型が先か、組手が先かという議論はあるかと思いますが、両方にエントリーし結果を残すというのは空手として理想だと思いました。
 少年部の組手もレベルが高いです。ただ、技量の差はあると思いました。子供ですから、どこまでやらせるかというのは慎重にならざるを得ないですが、技術的な面のみならず礼儀をしっかりと植え付けなければならないと改めて思いました。礼儀が出来ないのではあれば勝っても空手としては無意味です。
 幾度となく、静岡を訪れていますが、その都度、大石道場の懐の深さと極真空手の奥深さを実感して帰って来ます。今まで訪れる度に綺麗な富士山を見る事が出来ずにいます。それが見られた時に北海道と大石道場の差は幾分か縮っているのでしょうか?

 一朝一夕では難しいですが、そうであるよう頑張らなければいけませんね!

押忍

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