大会レポート


第2回全日本極真空手道型選手権大会
第3回東日本極真空手道選手権大会
2012年4月28〜29日(土〜日)
静岡市・グランシップ



旭 川 支 部
原 一 浩 参段

 今回も審判員の一人として高橋師範に随行し、標記の大会に参加しました。
 一日目は型試合です。メインコートの副審として大会役員の方々の視線を背中に感じ、ジャッジをする事になりました。 高橋師範も同じくメインコートの主審として、自分とは別グループで正面に大石師範の表情を見ながらの審判だったそうです。
 全日本大会と銘打っているだけあって、メインコートでは上級者の型が多く演じられます(型には上級も初級もないのですが・・・)。審判する側は選手と同等以上の型を打てなければなりません。正直、自分はどうなのか?という疑問も持ちながらのジャッジも否めませんでした。それは、昨年の第1回に比べて型のレベルは格段に上がっているからです。ただ、大石師範も総評の中でおっしゃっていたように、必要以上の装飾は型には必要ありません。型試合のための型になっている選手も少なからずおりました。それらを見抜くのが審判員の努めであると思いますので、型稽古をもっと行い、型の理解度を深めたいと思いました。
 型は空手の身体操作の矛盾を解消するために行われる稽古だと思います。例えば、スピードとパワーは相反する物です。力強く突きを出せば、その分、スピードは落ちてしまいます。それらを解決する身体操作はどのようにするべきなのか?等々・・・ですから型試合のための型はもはや空手の型ではないのです。
 少し、横道に逸れてしまいました。
 型試合の審判は想像以上に疲れます。一挙一足も見落とすわけにはいかないので、それこそ目を皿にして、選手の全体を見る事が必要です。自分は特に足元を中心にみて、上体については周辺野で捉えるようにしていました。
 ジャッジについて、団体を含めると準決勝まで50試合近く見たと思うのですが、主審との相違は5つほど、副審同士では3つくらいでした。特に一緒に副審をしていましたのが、門馬道場の門馬師範代でしたので、迷った時に一緒の旗だと自分の目付に間違いは無かったとホッとしたのを覚えています。

 二日目は、組手試合です。
 自分はCコートの副審でした。旭川から出場した木村選手が同じコートでしたので、その試合をジャッジする事になるのはイヤだなぁと思いました。
 それは、自分の中では審判員としてどこの道場の選手でも同じ目線でジャッジするのは当然と思っていますが、僅差では相手選手に上げざるを得ません。それが、回りから見た公平ではないでしょうか?異論のある方は多いと思います。しかし、誰からもクレームが付かない勝ち方をしてくれれば良いだけの事です。
 しかし、木村選手の試合の審判はする事がなかったので、ホッとしました。
 審判員が少ないので副審は半分ずつの交代です。全部で60試合以上は行ったと思います。
 自分が審判をした試合では反則が少なかったという印象です。減点をもらった選手はいなかったはずです(申告体重から7kg以上違っていて減点1から試合を行ったケースは3つありました。本来は失格なのですが、温情処置です。一人だけ一本勝ちで次の試合に進めました。)。試合慣れしているのかも知れませんが、ルールがある以上はそれに沿う必要があります。武術としては・・・。
 壮年部の試合もレベルが年々上がっているように感じます。フルコンタクト空手の人口は少年部と壮年部が増えており、それに伴って、試合のレベルも上がっていると思います。
 多彩な技を繰り出し、基礎体力自体もあり、一般の試合にも出られるのでは?という選手もいたくらいです。壮年部でもパワーだけでは勝つ事は難しいと思います。
 その反面、選手として油の乗っている10代後半から20代の選手が少ないのは寂しい感じがします。この東日本大会でも選手の数としては、この辺りが少なくなっている現状です。少年部から一般に残る者が少ない・・・この辺りが指導者としても課題になると思っています。

 全体を通して、印象に残ったのは、型試合で入賞した者が組手でも上位に食い込んでいるという事です。門馬道場の岩崎選手は型試合で優勝し、組手でも準優勝。同じく門馬道場の佐藤選手も型で入賞し、組手で優勝。型の団体でも二人の組が準優勝しています。大石道場でも一般上級で3位に入賞した日下選手は型でも準優勝しています。
 今まではどちらかと言うと型の選手、組手の選手と言う感じでしたが、型も組手も強いと言う選手が出て来ていると言うことです。

 3泊4日の静岡遠征でしたが、そのうち二日間は福島の門馬師範とご一緒する事が出来ました。それでも空手に造詣の深い門馬師範との時間は足りないと感じました。この縁も高橋師範や石川先生が築いて来られた絆があってこそだと思います。頭が下がる思いです。ありがとうございました。
 最後に長谷川師範と大石師範が歓談する姿は、実に良いです。このツーショットが北海道大会で実現する事を切に祈っております。

押忍

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