大会レポート


第8回全福島県空手道選手権大会
2012年9月16日(日)
福島県・須賀川アリーナ



旭 川 支 部
原 一 浩 参段

 全福島空手道選手権大会膝栗毛

序 
 平成24年9月15日、千歳空港9:40発の飛行機で福島へ!
 予定より10分ほど遅れて11:10に福島空港に到着しました。
 高橋師範、石川先生は夕方の便で来られるという事で、夕方まで時間があります。そこで今回一緒に行った釧路の安藤支部長と福島県内を観光する事となりました(審判の遠征で観光は初めてでした。)。千歳空港で一緒になった北海道野中道場の野中先生にスケジュールの確認をした所、一緒に行動する事になりました。
 観光と言っても見たい所を全て回るには時間がないので・・・まずは腹ごしらえに喜多方に向かいました!そう、喜多方ラーメンです!日本三大ラーメンと言えば、札幌ラーメン、博多ラーメン、そして喜多方ラーメンと言われます。ん〜旭川ラーメンが一番だと思っています。因みに安藤支部長は、山岡家が一番らしいです。
 予め予約していたレンタカーに乗り込み、一路喜多方へ!
 ナビをセットしたので、その通り行けば楽勝のはず・・・でも・・・磐越道の標識の南相馬の文字が・・・あれ?磐城の文字も・・・逆だ!!!急いで次ぎのインターチェンジで下りて、逆方向に乗り換えました!
 お腹が空いた状態で喜多方に着いたのは、13時半くらいでした。喜多方ラーメンの有名店を検索し、直行するとすごい行列!そこを諦めて、近くの人が3人くらいしか入っていないお店へ入りました。でも老麺会の暖簾も下がっているので喜多方ラーメンに間違いなさそうです。
 不安を抱えつつも待っているとラーメンがやって来ました。
 見た目は薄い醤油味かな?と思い、一口スープをすすると・・・美味い!空腹に勝るスパイスはなしと言いますが、間違いなく美味しかった。旭川ラーメンほど主張しない魚介系のスープで、麺は手打ちっぽく平麺でした。安藤支部長曰く、「カップヌードルの麺」だそうです。確かに形は似ています。でもモチモチ感は全然違います。
 店を出てからの感想は、「行列のない店でもこのレベルという事は、行列の出来る店はどんな味なんだろう」という事でした。
 当初の予定では会津若松で鶴ヶ城と武家屋敷を見る予定でしたが、時間が押し気味です。
 実は、福島大会の2週間前に北海道大会があり、その時に門馬師範に喜多方ラーメンの話をお聞きしたところ、「喜多方より白河の方が美味しい」とおっしゃっていましたので、白河ラーメンを食べておかないと、という事になりまして、会津若松を通り越して、白河市へ!15:30頃、白河市に到着しました。
 また有名店を検索し、店の前へ・・・閉まっている・・・今日はこういう日なんだと諦めて、次の店を検索・・・16時から夜の部が始まる店を発見し、直行しました。
 店に着いたのは16時を5分ほど過ぎた頃でしたが、まだ店は開いてなく、店の前には行列が!喜多方ほどではなかったので、並んで開くのを待ちました。
 5分ほどして開店し、自分達3人も店の中へ・・・ほどなく出て来たのは喜多方とほとんど同じようなラーメンでした。味は喜多方が魚介系のスープに対して、鶏ガラでした。麺も手打ちの平麺でしたが、喜多方より細い気がします。食べ終わったのが16:45分、郡山駅に17時半まで行かなければなりません。
 実は長谷川主席師範が17時半に郡山駅に到着するので、そこで門馬道場の方の車に乗り換える事になっておりました。万が一、遅れると長谷川主席師範を待たせる事になってしまいます。
 郡山駅のどこで待ち合わせになるのか分からないが、きっと小さな駅ですぐに分かるはずと楽観していました。
 ナビをセットし、すぐ近くのスマートICから高速に乗れば間に合うはず・・・はず・・・スマートICに着かない・・・ナビは古かった・・・スマートICを表示せず、須賀川ICを選んでいたようです。
 高速に乗った時点で17:15分!郡山ICから郡山駅までは何分掛かるのだろう?次第に車内は重苦しい雰囲気になって来ました。
 胃も2杯のラーメンで重いです。
 17:20、もう間に合わない・・・「でもきっと郡山の駅って大きくて、ホームから改札口まで10分くらいかかるかも知れない。」誰かが言いました。さっきまで小さい駅と言っていたのに・・・「17時半と言っても新幹線は17:35とかに到着かも知れない」と、すぐに新幹線の到着時間を検索!新幹線17:29着!撃沈!野中先生が長谷川師範に電話を入れる事に! 既に17時半! 電話から声が漏れています。既にホームに降りて、改札口に向かっているとの事、すぐ近くに来ていて、若干遅れる旨を説明して頂きました。
 ただ、レンタカーを返さなければなりません。安藤支部長がレンタカーを返し、自分と野中先生が先に駅に向かう事にしました。信号待ちがもどかしいです。そこへ門馬道場の岩崎さんから野中先生に電話!別の車で長谷川主席師範はホテルに向かったので、ゆっくり来て下さいとの事!ホッとしました。何でも岩崎さんは自分たちの連絡先や待ち合わせ場所(郡山駅は大きい!新幹線が停まるのですから・・・)が分からず、駅周辺のレンタカー屋さんを回って探してくれたそうです。ありがとうございました。
 その後、ホテルに送って頂き、高橋師範、石川先生の到着を待ちました。19:30くらいからレセプションとの事ですが、高橋師範と石川先生の到着を待って、始まるとの事でした。
 福島には着いているようですが、道が混んでいるようです。ロビーで待っている時に門馬師範とラーメンの話になりました(自分がジャケットを取りに部屋に戻っている時に安藤支部長と何処のラーメンを食べたか話していたようです。)。
 「ラーメンどうでしたか?」「白河ラーメン、美味しかったです。」「でもそこの店は喜多方系で本当の白河ラーメンではないんだよ!喜多方の行列の店も大した事ないよ!」「え?そうなんですか!事前にお聞きすれば良かったです。」
 そうこうしているうちに高橋師範と石川先生が到着、急いで着替えて、レセプション会場へ! レセプションは、長谷川主席師範、大石主席師範、地上最強の空手の後藤監督等を始め、蒼々たる方々が席についておられます。
 一次会の終わりには自己紹介があり、もの凄く緊張します。
 二次会(レセプションは宿泊先のホテルで行われ、一次会場と二次会場はすぐ近くです。)が始まると、大石主席師範の小話で一気に場が和みました。長谷川主席師範が自分の隣に来て下さり、北海道大会の後のセミナーや長谷川主席師範の著書の話で盛り上がりました。
 緊張しましたが、まさか長谷川主席師範とお話が出来るなんて思ってもいなかったので、大変嬉しい出来事でした。

大会
 大会当日は、ホテルから会場へバスで移動します。中国からチェン選手が参加するとの事でバスに乗って来ました。チェン選手は中井選手と過去2回戦っていますが、2回ともチェン選手が勝っていると言えば、どのくらい強いか分かると思います。バスの中でゴン師範と話をしていますが、緊張した面持ちです。でかいです。
 会場入りし、審判表を見ると型準決勝からの所に自分の名前がありました。
 門馬道場の型を審査出来るでしょうか?全福島大会の型試合は、予選を行い、点数で上位4名が選ばれ、準決勝以上が行われます。
 予選を見ていて、この中から4名しか選ばれないの?と思いました。しかもその4名をジャッジすると思うと冷や汗が出ます。パンフレットにある審査基準を何度も読みました。
 予選が終わると一般の組手などが始まり、その後、準決勝に進出する4名が発表になりました。そのまま、すぐに型試合が始まります。
 このレベルになると、ちょっとしたアラを探さないと優劣をつけるのは難しいです。
 立ち方の足の向きや演武線からのズレ、転身の時のふらつき、一瞬を見落とさないように、それこそ目を皿にして見ました。一回だけ、自分だけが違う選手に旗を上げた場面がありました。自分の位置からはわずかに前屈立ちの時に膝が内側に入って見えたので、そこを減点しました。これくらいで勝敗が分かれる型試合をジャッジするのは疲れます。北海道大会もそれくらいのレベルになってくれると嬉しいですが、門馬道場は大石道場と同じく型試合の上位に入る選手は組手でも上位に入って来ます。
 極真の型は、型試合のための型ではなく、組手や実戦につながる型でなくてはいけないと思います。
 昼食後、試合が始まる前に少年演武がありました。幼年部がほとんどで、このクラスはほほえましく、安心して見ていられます。この中から型や組手で上位に入る者が出てくるのでしょうか?少年演武の後は琉球古武術の演武です。棒、ヌンチャク、鎌の演武でした。門馬師範も武器術に長けており、この琉球古武術の師範から習っているそうです。
 午後からBコートの組手の主審がありました。道外では初めての主審でした。小学生は顔面に金網型のヘッドガードを付けます。従って、上段の前蹴り等もo.kです。中学生は任意です。中学女子の部でも付けずに試合をする人がいました。平均すると付けない人が強かったように思います。
 慣れない3審制のため、立ち位置に困りました。副審にかぶらないように立ち位置を考えるのですが、3審制の場合は、対角線に副審が座りますので、副審がいない所ではもっと動いても良いのです。また、今回は連合会の道場ではないため、連合会の審査基準と幾分違いました。連合会では判定の時に相殺法を採用するのですが、今回は違います。昔の極真スタイルとの事です。反則が少なかったので実際には困らなかったですが・・・。3位決定戦前にも演武がありました。キックボクシングのエキシビションと門馬師範演武です。キックボクシングのレフリーに藤原敏男氏、選手の一人は世界チャンプのリトルタイガーでした。タイガーというくらいですから佐山サトル師範の弟子という事です。
 会場には、その初代タイガーマスク、佐山サトル師範も来ていました(写真を一緒に撮って頂きました。)。これだけでも門馬師範の交流の広さが分かると思います。師範演武は、型・征遠鎮に板割りを織り交ぜて行い、四方割りと四人掛けを上段回し蹴りと後ろ回し蹴りを主体に行いました。華麗な技が格好良いです。今で言うイケメンですから、もし自分が同じ事をしても絶対に適わないと思います。
 Aコート、3位決定戦では副審でした。主審は高橋師範です。4試合を行いましたが、そのうち2試合目のジャッジで違和感がありました。白は緑帯、赤は黄帯の選手でした。赤の方が幾分、体が大きい感じで前に出る組手、白はいなして突きから上段の蹴りを上手く使って戦っていて、後一歩で技ありというのもあり、自分も白旗がピクッとなったのを覚えています。判定で、引き分け1、白1、赤2の旗が上がりました。高橋師範はチラッとこちらを見て、少し動揺されているようでした。結局、引き分けになり延長戦、延長ではスタミナを活かして赤が勝ちました。 もしかして自分のジャッジがまずかったかな?と思いながら、コートから降りてからの反省会・・・師範も副審みんなに「さっきの試合では本戦で白が勝っていたと思う」とおっしゃいました。自分とほとんど同じ評価で、自分のジャッジが間違っていたのではなかったと思い、ホッとしたのと同時に本来であれば勝っていた選手が審判の技量で負けてしまう事があるので慎重なジャッジが必要だと再認識しました。
 一般部は中国のチェン選手が下馬評通り、優勝しました。圧倒的な試合展開でした。他流派も多くいたのですが、全体的に綺麗な試合が多かったと思います。


 いつも思う事ですが、自分が極真の創生期に活躍された長谷川主席師範や大石主席師範を初めとする師範の方々とお話する機会があるなんて、夢にも思っていなかったのですが、実際、色々な大会でお会いし、お話している・・・地道に活動されている高橋師範、石川先生のご尽力の賜と思っています。その後ろ盾には日頃の稽古があると思っています。口先だけではなくて、しっかりと稽古しているオーラが出ているから、同じような志を持っている師範や先生方が集まって来ると思います。
 大会後の会食でチェン選手と話す機会がありました。中国語は話せませんし、共通語の英語も出来ませんが、色々な単語をつなげて会話しました。空手の言葉も共通語でした。共感した時には、乾杯しましょうと言って来ます。「No、稽古!No、Life!」と言った時も「先生、乾杯しましょう!」と言ってくれました。空手をしている集団ですから、空手の稽古をするのは当たり前ですね!でも嬉しかったです。今、中国とは難しい関係になって来ています。ゴン師範は、中国の知人から日本に行くのは危険だと言われたそうです(中国では日本人が襲われていますが、日本で中国人が襲われたと、今は聞いた事ないです。)。でもゴン師範は「大切な友人に会いに行くだけだ!何の問題もない」と言ったそうです。極真って、空手って良いなと思った瞬間でした。
 福島大会に行って、感じる事、門馬道場のみなさんの心遣いには感服します。会場入りした時も「来て頂いてありがとうございます」「ご協力ありがとうございます」とみなさん、おっしゃいます。大会後も然り・・・細かい所まで気を遣って下さります。これも門馬師範の人柄なんでしょうね!帰って来たばかりで、もう来年も行きたいと思ってしまう大会でした。

押忍

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