5回全日本極真空手道「型」選手権大会レポート

旭川支部東光道場  森 満範 2

  

2015418日(土),グランシップ静岡で開催された第5回全日本極真空手道「型」選手権大会に出場させていただきました。自分にとって初の全国大会で,原先生からお話しをいただいた時は身が引き締まるとともに緊張感に襲われましたが,自分の娘も含め,自分以外に東光道場から3名が出場することとなり,心強く感じました。残念ながら,試合の方は初戦で敗退しましたが,大会の様子に加え,大会に臨む前の準備など,来年以降にこの大会に参加される皆さんの参考となるべく,以下にご報告いたします。

○大会に向けた稽古
 型の試合なので,指定された型の動作はもちろんのこと,型の三要素である「力の強弱・スピードの緩急・調息」を意識した稽古が必要になります。しかし,一般部や少年部の皆さんと違い,自分のように50歳半ばに近づいている者にとっては,型を演じきるだけでかなりの体力を消耗してしまいます。また,道場稽古以外に時間を作って稽古することが難しい場合もあります。このようなことから,道場稽古において型稽古はもちろんのこと,基本稽古や移動稽古をしっかり行って,基礎体力や基本的動作・姿勢を身につけることに心がけました。基本稽古であれば,仮想敵を見立てて「一撃必殺」を,移動稽古であれば極力腰を落として足の運びや重心を意識しながら力強く,スピーディーに。
 普段は仕事からの帰宅が遅くなるため,道場以外での自主稽古については思うように時間が取れなかったのですが,職場の昼休み,帰宅後,休日などに時間を見つけ,基礎体力と下半身の強化を目的に縄跳び連続1,0001,500回や連続二重跳び,基本稽古,移動稽古,型,ランニング,補強などのメニューからピックアップして,時間の許す範囲で行いました。これらは,自分が入門当初から壮年部として空手を続けていくために実践してきたことですが,出場が決まってからは特に時間を割いて稽古を行いました。(それでも,未だに基本稽古が終わった時点でかなりの体力を消耗し,なかなか基礎体力を向上させることができていませんが。)

道場稽古での壮行会の一コマ

大会が近づき,道場稽古においても型稽古に時間を取っていただいたので,細かい動作をチェックしながら,身体で覚えられるよう何度も繰り返して稽古を行いました。
 大会前の最後の道場稽古は児玉先輩の指導日でしたが,稽古の最後に大会に出場する4人の選手の型を披露した後,壮行会を開いていただきました。
 児玉先輩から選手に栄養ドリンクをいただき,道場の皆さんの期待に応えられるよう頑張ろうと決意した次第です。



○いざ大会へ!

大会前日を迎え,旭川空港から東京へ飛び立ちました。会場や大会の雰囲気など,先生や先輩からいろいろと伺っていましたが,考えれば考えるほど緊張するだけなので,大会を楽しむように気持ちを切り替えるようにしました。幸い,娘も出場するので,娘と小旅行している気持ちで旅程を楽しむことにしました。

 
 大会前夜の激励会

 羽田到着後,東京へ向かい,新幹線に乗り換えて1時間ほどで静岡に到着しました。その夜は,高橋師範や先生方,「型」大会やその翌日の全日本大会,東日本大会に参加する高橋道場の選手の皆さんや,同行された保護者の皆さんとともに食事会。皆さんから激励を受けながらも,少々緊張気味で大会前の1日を終了しました。
  いよいよ大会当日。会場に到着すると,とてつもなく大きな会場の外観や会場内の広い空間に圧倒され,晴れ晴れしい気持ちと緊張感の入り交じった複雑な心境に陥りました。選手の多さとコートの多さ(7面)にも圧倒
されつつ,「ここまで来たらやるしかない」という開き直りにも近い精神状態で開会式を迎えました。

 

   
 会場の「グランシップ静岡」  広い会場にはコートが7

 

 開会式終了後,各コートで試合が開始されました。自分の試合はかなり後の方だったので,高橋道場の他の選手の応援のために各コートを回りつつ,自分の準備運動や型の動作のチェックを行いました。自分の順番を待っている時間は予想以上に長く感じられました。じっとしていると不安になるし,アップし過ぎると疲労が強くなってきます。試合までの居たたまれない時間の流れの中,自分のクラスの試合も始まり,高まる緊張感とモチベーション,体力のバランスを保つことに必死でした。このようなことも含め,会場に入ってから試合が終わるまでの一連の流れが「闘い」であり,技術的なことだけではなく,平常心を保てる精神力の強さや(大会)経験も必要であることを実感しました。

 果たして結果は,冒頭で申し上げたように初戦で敗退しました。堅さはあったものの,動きはそれほど悪くはなかったのですが,普段では考えられないようなミスをしてしまいました。まさに,大会の雰囲気に飲まれてしまいました。己の非力さと,まだまだ修行が足りないことがわかったことは,大会に参加することで得られた収穫でもありました。

○今後に向けての決意と皆さまへの感謝

 
  大会に出場した東光道場の選手
(原先生を囲んで)-写真:原先生ご提供

 大会に出場された他道場の選手の皆さんの演技はどれも素晴らしいもので,感動とともに,得られたものもたくさんありました。一方で,試合に敗れはしたものの,高橋道場の選手の皆さんの演技も引けを取らないほど素晴らしく,全国レベルに手の指先は届いていると感じました。自分としても,細かい所まで演じきられる技術・体力と,どのような状況にも動じない精神力を再度鍛え直し,来年も多くの道場生と全国に挑めるよう精進したいと思います。今回,大会に出場するにあたり,多くの皆さまにお話になりました。日頃からご指導いただき,全日本大会まで導いていただいた原先生を始めとした先生方,全日本大会出場をお許しいただいた高橋師範に感謝申し上げます。また,ともに汗を流し,壮行会を開いていただいた東光道場生の皆さまにもいろいろと助言をいただきました。そして大会前夜から当日にかけて,高橋道場生と保護者の皆さまからいただいた激励と応援は本当にありがたく,勇気をいただきました。
 皆さまに感謝申し上げますとともに,皆さまのご期待に添えることができなかった悔しさをバネに,今回一緒に出場した仲間を始めとした多くの道場生の皆さんととともにこの大会で結果を残せるよう稽古を重ねていきたいと思います。押忍。



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